心配しないで、大丈夫。
何がどう大丈夫なのか、ちゃんと伝えるからね
いつも踏ん張りすぎて張りつめきっているあのひとは
困りごとを話す時も痛いくらいの優しい声
うん、そうか
そうだったんだね、大変だったんだね
ぎゅーっと抱きしめたら彼女の緊張が伝わって
大丈夫、大丈夫だからね、と口に出た
わたしにはその言葉が必要だ、と
それでもまだ抑えている感情が彼女の中で震えているのがわかる
なにがどうしてそうなっているか
見えているのに、見えているけど、見えているから
まだ全部を話すにはぜんぜん入口にも遠い
だけどそれだって大丈夫なんだ
早すぎることも遅すぎることもこの世にはない
ぜんぶ全部が隙もなくきっちりぐちゃぐちゃに現れる
突破するためのたったひとつのこと
次に会えたときに手渡せると良いな
世の中に渦巻いているあんなジョーシキとかこんなトーゼンとか
そんなものは誰のことも救わない
かまわなくて良いんだよ、苦しいなら放り出せば良い
小春日和を求めるより春を迎えるために支度を始めよう
葉をすっかり落としてまるで枯れたように見える木も
新しい芽を出すために力をこめてる
何かを失うわけじゃない、それにも全部意味があるのだから
怖がらないで
みんなそのままでとても美しいのに