仕事場のPCに表示されたとある町の火災
一瞬で目の前が揺らぎ、慌てて自分の端末を取り出す。
詳細を知りたくて気が急いて何度も入力に失敗する。
どうしよう、どうしよう何かあったらどうしよう
どうしよう、ったって何も出来るわけないだろ
何も出来なくてもせめて無事だと知りたい
嗚呼、でも。
アカウントを削除してしまったSNS
そこからしか連絡先を引っ張り出せない。
でも、今また繋がってしまうのも違う気がする
でも…再インストール。
どうしよう…またアカウント作ろうかどうしようか
場所の詳細が知りたい、と再びニュースに目をやる。
ん?
お?
あれ?
おお…
それは隣の市の出来事でしたー。
ひゅう、焦ったぜい。
危ない危ない、良かった良かった。
「大丈夫だよ、麗子。」
わたしがこのニュースを知って心乱していることを
わかっているよ、感じているよ。
「泣くなよ」いつも言っていたそのひとが撫でているかのように
くるくるくる…と鳶がわたしの眼の前をゆったりと旋回する
というわけで胸を撫で下ろしたものの…
なんつー動揺ぶりじゃ、お主やはり恋をしておるの?と
自分がやけに可愛く見えた本日なのでした。