聞く、ということ
聞く、ということ

聞く、ということ

この春高校を卒業した五男は、いわゆる”定職”には就かずアルバイトを掛け持ちして自分の夢の土台作り中
昨晩遅くLINEが入り、夜半過ぎまでのバイトしてる、という。
そんな時間にどーやって帰って来んのと思いつつ
まあ帰りたきゃ歩いてでも帰るだろ、ってことで「あそー。頑張れ」と返信した

今朝、いつもの如くお弁当と朝ごはんの支度をしていると男の子の気配がしたので
近々遠足がある、と言っていた六男だと思って「六男、あんたいつ遠足だっけ」と声をかけた

「六男?オレ五男」と笑いながら洗面所のカーテンから顔を出したのは件の五男
あんた、いつ帰って来てんの当番になってるお手伝いやっとらんやんけ。と言うと「あー、うん。」とお茶を濁す
まあママがやったから良いけど。

で、昨晩のアルバイトの話をしてくれた。
某百貨店の新規オープンブランドの店舗設営と搬入だったんだそう。
そっか、そういえば昔バイトしていたとき業者が出入りしてたっけな。

およそ”普通に”暮らしていれば出会わないひと達と交わるのは良いことだよ、と言うと嬉しそうに話を続ける
職人と呼ばれるひと達の凄さとか、なぜこんなアルバイトをしているのかと聞かれたこととかいろいろ。
今の子ども達に絶対的に足りていない部分を埋めて行っているな、という印象。

ひとはひとに出会うために産まれている
互いに反発したり共感したりしながらそれぞれの中に在る小さな灯りに近づいて行く

で、そのうち玄関から母の声がした。
朝はバタバタするからなるべく避けてねと言ってあるのに…と思いつつ「どうしたの」と問う。
先週末虫垂炎の緊急手術になった父の退院がいつになるか不明で
来週予定していた東京行きが危ぶまれている、とかなんとか。

父とは個別にやりとりをしていて状況は把握していたので
レントゲンの結果次第ってことなんでしょ、と答えると
「ああ、聞いているのね?それなら安心したわ」と、母

あ、そういえば母とは一悶着あって連絡先を交換していないんだったわ。
まあでもそれも良し。現時点ではこうして自由に車を運転して出向いてくる元気があるからね
父にべったり依存しているくせにその自覚ゼロな母は
今回の入院手術を受け止め切れないってことなんだろう

そして次は今日、入学式だからと臨時のお休みになった六男がとぞもぞと起き出してくる
(さっきまでゲームしてたの知ってるけどな。)
「ねえ、ママ」
…なに。
「なんでママ、起きてすぐに五男のお手伝い代わりにやったん?」

はあ?
なんでって逆になに?
その間知らん顔してゲームしてたくせになに言ってんだクソが
…とはおくびにも出さず。(笑)

誰かがやらなければならないからやっただけだよ。
あんたの当番でしょ、とか言って起こしに行ってグダグダするよりママがやった方がはやいもん
「でもママ今日も仕事なのに疲れるでしょ」
心配いらないよ、大丈夫。まあ、あんたが手伝ってくれても嬉しかったけどね
「…」

ほんとに、ひとというのは他人のことばかりは目につくものだね。
じゃあお前は?っていう問いが一番痛いらしい。
受け止められる程度でその問いを各方面にずっと発し続けている。

朝からなかなかヘビーだわと思っていたら三女が起きて来て
ママなど目に入らぬという態度でいつもなら話しかけもしない六女の髪を梳いてやっている。
そういうのもほんとはものすごく嫌い。
誰かをdisるためにほかの人と仲良しぶるヤツ、いるよね。

というわけでさっさと着替えて出て来ました。
向き合う準備の整っていないひとには何もすることが出来ないからね

あーめんどくせえ。

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