イングラン・ノーギル
イングラン・ノーギル

イングラン・ノーギル

ずっと謎だったこのキーワード。
灰色の女がわたしに、これを託したのだけれど
ご丁寧にカタカナ表記を一文字ずつフラッシュカードのように見せて
「きちんと見ろ」というジェスチャーまで添えてくれたからちゃあんと覚えていました

とはいえあまりにも意味不明、と思っていたらこの前突然
「イギリスの戴冠式の様子を見ましたか?」と水を向けられ
うちにはテレビが無い、という話をたぶんしたのになぁ、と思いつつ
ここは話に乗っかるやつだとわかったので「お洋服素敵だったらしいですね」と
まあまあ面白そうなところくらいを拾ってお返事を返した。

らば。
いや、もう予想外の話に展開されてほんと驚きました
戴冠式では各宗教の代表者が招かれ、それぞれに国王に対して贈り物をしたと。
カトリックはもとより、ユダヤ教やイスラム教の方々まで参列したと聞き
(形式上であったとしても)なんと素晴らしいことが起きたかと心底驚きました

イングランドがカトリックと宗教上決別したのは国王の離婚を巡って、というところなのですが
少し調べてみるとチャールズ国王は皇太子時代から諸宗教の通交について心を砕かれていたとのことで更に驚きました

チャールズといえばダイアナとの結婚、そしてカミラを交えてのあれこれ…というか。

カミラ王妃はおそらく非常に賢い方なのでしょうね
わたしがいるのよ、わたしを見て!と、メーガンさんのようにその存在を声高に叫ぶことなく
ダイアナ妃が皇太子妃として世界中に旋風を巻き起こすのを見守りました
が、一方では決してチャールズ国王を諦めなかった強い方でもあるのでしょう。

わたしはダイアナ妃を好きでないことは全くありませんが彼女はもしかしたら幼子のようにピュア過ぎたのかもしれません

それもこれも全て、かつて王室がこれまでの常識をかなぐり捨ててでも守りたかった”国王個人の選択の自由”とは正反対にある
王室に嫁ぐものとはこう在るべき、という古いしきたりが
王室のみならず全世界を巻き込んだ混乱に貶めたのであれば
しきたりとは何か、律法とは何かとチャールズ国王は常にその問いに対して答えを探したのかもしれないとさえ思えます

カミラ王妃も感情レベルでは苦しかったこともおありだったでしょう
どんなに愛しても世継ぎを産むことは認められなかったわけですし。
血筋という抗えない流れに翻弄されつつも
濁流にのまれることなく晴れの日を迎えたことはこれも全てが神様の御旨であることの証だと言っても良いかもしれません

自身も一度は母となった身であるわけですから
我が子を思う母の気持ちを充分理解していらっしゃるでしょう
チャールズ国王のみもとでいくらか騒がしいお話があっても
ワーワー口出しをするではなく傍で支え続けて来られた彼女は
見た目こそ華やかさとは無縁ですが、きっと
女性らしいふくよかさとぬくもりを兼ね備えた方なのだろうと思いました

世界中は律法ではなく愛において一致する
そんな至極当たり前のはずの価値観が、こうして目の前で具体的な形となって現れる
そんな世の中になったのだなぁと深く感じ入りました

さて、わたしに出来ることは何であろうかと我が身を振り返ってみると
小さく目立たない、言わば大海の中のひと雫であれど
わたしに詳らかにされた目に見えない世界の大切な話はこれから
毎日どなたかの心に落ち続ける点滴のようであればと願います

僅かばかりの、変化とも言えないその一滴が
いつかその方の身体と心の傷を庇う優しい力になれるのならこんな光栄はないと思いました
いやぁ〜すごい世の中になったもんですな。

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